【ドイツ】鉄道崩壊の危機と大改修計画

ドイツの鉄道は今、過去最悪の状態です。
列車の遅延や運休が多発し、信頼性が大きく揺らいでいます。
2023年は定刻通りに到着した長距離列車が全体の62.5%にとどまり、苦情も急増。
その背景には、19世紀から使われている老朽化したインフラがあります。
ドイツ鉄道は、昨年だけで約7.6億ユーロを修繕に投じました。
しかし、その大半は時代遅れで、最新のデジタル技術が活かせません。
そのため、全体の刷新が必要となり、2030年までに約4,200kmの路線改修が計画されています。
最初の例として、フランクフルト~マンハイム間70kmの改修が完了しました。
今後はハンブルク~ベルリン間でも大規模工事が始まり、移動時間は約1時間延びます。
改修費用は年々増加し、全体で1500億ユーロが必要とされています。
ドイツ鉄道のルッツCEOは、政府の資金援助が不可欠と語っています。
信頼性を取り戻すには長い時間と多額の投資が必要です。
しかし、ヨーロッパの中心を担う国として、鉄道の再生は避けられません。