【北朝鮮】北朝鮮「伝統薬ブーム」その裏側に迫る!

北朝鮮の地方病院では、深刻な薬不足が続く中、独自に「ヨンシンファン(영신환)」という伝統薬を作って患者に処方する動きが広がっています。
ヨンシンファンは主に野生の高麗人参(山参)や薬草などを使い、各病院ごとに配合が異なります。
味や硬さも病院ごとに違い、効き目は正式に確認されていませんが、「甘い」「苦い」などと比較されるほど、住民には身近な存在となっています。
背景には、キム・ジョンウン総書記の「自力更生」政策や、医療格差解消のための指示があります。
2025年からは平安北道をはじめ各地の病院で、ヨンシンファンのほかアラリア根を使った関節炎用薬やスイカズラ由来の抗生物質なども自作されるようになりました。
しかし、本当に必要な抗生物質や鎮痛剤は依然として不足しており、多くの住民は病院で処方箋だけをもらい、薬そのものは自分で探さなければなりません。
こうした伝統薬の量産は、効果よりも「やっているアピール」の側面が強く、医療の本質的な問題解決にはなっていないのが現状です。