【ブルガリア】清掃員の顔をした女スパイの正体

一見ふつうの女性が、実はロシアのスパイだった――そんな信じがたい話が、オーストリアで明らかになりました。
ブルガリア国籍のツヴェタンカ・Dさんは、10年前にウィーンへ移住し、一時は清掃員として働いていました。
表向きは地味な生活を送りながら、SNSでは反ワクチン、親ロシア、極右政党支持の投稿を繰り返していたのです。
しかし本当の仕事は、ロシアのための諜報活動でした。ウクライナをナチスになぞらえるシールを市内に貼り、ネット上でも偽情報を流していたとされます。
さらに、調査報道で知られる記者クリスト・グロゼフ氏を監視するため、彼の住まいの向かいに部屋を借りるなどの行動も。
盗聴や盗撮だけでなく、記者のパソコンやスマホを盗み、モスクワに送る計画もあったといいます。
彼女は、ロンドンに拠点を置くロシアのスパイセルにスカウトされ、その中心人物はワイヤーカード事件で逃亡中のマルサレク元幹部だと指摘されています。
ツヴェタンカのような「普通の人」が、見えない指令で動くスパイだったという現実に、欧州は今、警戒を強めています。