【オランダ】軍のスターリンク利用に懸念

オランダ国防省は、イーロン・マスク氏のスペースXが運営する衛星通信ネットワーク「スターリンク」を利用しています。
しかし、安全保障の専門家は、これがオランダの安全を脅かす可能性があると警告しています。

国防省の広報担当者は「スペースXの製品を使用を停止する理由はない」としながらも、「複数の選択肢を持っており、一社に依存していない」と説明しました。
しかし、ハーグ戦略研究センターの専門家パトリック・ボルダー氏は、「スターリンクの利用には慎重になるべき」とし、マスク氏の欧州政治への関与を指摘しました。

さらに、技術専門家のベルト・ヒューバート氏は、「可能ならアメリカを離れるべき」と述べ、米国の企業への依存が大きなリスクになると警告しています。
先週、ロイター通信は、米国がウクライナに対し、ドナルド・トランプ氏の鉱物資源に関する要求を受け入れなければ、スターリンクの提供を停止すると警告したと報じました。

また、カナダのオンタリオ州は、トランプ氏の新たな輸入関税の発表を受け、スターリンクとの契約を打ち切ると発表しました。
オランダ政府も、米国のクラウドサービスへの依存について見直しを進めています。

オランダの会計監査院は、政府の1,588のサービスのうち700がアメリカ企業のクラウドを利用していると指摘。
「米国政府がオランダの情報にアクセスする可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
政府のデジタル化担当大臣ズォルト・サボー氏は、「安全が最優先であり、慎重に判断する必要がある」と述べました。